健康保険。
このシステムを使えば
たいていの人は医療費を
全額の3割でまかなうことができる。

ある眼科ではリラクゼーションを
健康保険で適応できる
との噂を耳にした。

紹介された眼科は街中にあるのだけど、
古いビルの中にある
年季の入っているクリニックだった。

表こころブログ_健康保険チョメチョメ眼科号泣1

ちなみに、ここのビルに
入っている別の病院では以前、
2000円ほどした新品の傘を盗まれる
という由々しき事件が発生したのだが、
そこはまた別の話。

この眼科に最初訪れたのは
5月のことだった。
パソコン、ゲーム大好き人間ゆえに
普段酷使している
ドライアイちゃんを受診して、
かなり沢山の潤い用目薬をもらったのだ。

表こころブログ_健康保険チョメチョメ眼科号泣2

そして、お目当ての保険ちょめちょめ。
ふむ・・・実際には1000円かかることが
300円で行うことができた。


今月、2回目の受診をしたときのこと。
待合室であるおばさまと目が合う。

表こころブログ_健康保険チョメチョメ眼科号泣3

…こういうお仕事をしていると
だいたい分かってくる
『この人メンタル的な理由で病院通っている人』
だと。一瞬で分かった。

おばさまの方が先に
中の検査室に呼ばれた。

しばらくするとなにやら中が騒がしい。
奥から看護師の声が響く。
表こころブログ_健康保険チョメチョメ眼科号泣5

「だからそれは無理だって!」

雲行きが怪しい。
「表さーん」

私も検査室へ呼ばれた。
椅子に座らされて、
「メガネとってください視力測ります」
なんて案内される中で私の耳は完全にダンボ。

表こころブログ_健康保険チョメチョメ眼科号泣4

すぐ隣で看護師と患者の
年末格闘技が行われていた。

「あのね!紹介なんてできんよ」

「でも困ります。紹介してください」

「なんで?そんなに重くないのに
紹介できんよ?」

「でも紹介してください」

「どこを紹介するん?
紹介っていうのは
病院と病院の信頼の問題じゃけぇ
しっかりした理由がないとできんよ?」

「×××メガネの中にある×××病院」

「メガネショップの眼科なんて
メガネを作るところだから病気が
どうとか見てくれんよ!」

そしてお二人のcatfightそのままに、
諸々の検査が終わった私は
院長先生の診察になることに。

院長先生は温厚なおじいさんだ。

目薬の追加はいるかい?と聞かれて、
前回、有り余るほどもらった目薬のうち
一本すらも空になっていない私は
「大丈夫です」と断ると・・・

表こころブログ_健康保険チョメチョメ眼科号泣6

「そんなんじゃドライアイは治らないよ!」
おじいちゃん先生が怒った。

このおじいちゃん先生かなりのお年で、
孔子でいう「心の欲するところに従って矩をこえず」
だけど、なぜだかかなりの怒りようだった。

「君は治す気あるの!?」

「一滴二滴じゃだめだよ」

「溢れるぐらいまでやんなきゃ!」


表こころブログ_健康保険チョメチョメ眼科号泣7

『溢れるまで!?』

そもそもドライアイだから
目薬くださいというのも、
保険をつかってチョメチョメするための
理由づけみたいなものだったから。

私が人生で得た教訓。

医者と政治家ほど
マイセオリーのある人間はいない。
医者を前にしたときは
「はい」以外の選択肢は用意されていない。


ベコのように「はい」「はい」
聞いたこころちゃんは、
この日も無事、保険を使って
チョメチョメしてもらったのだ。





ちなみに、先程、
隣で看護師と患者が争った後、
その看護師と事務の人が話し合っていた。

「まったくも〜あの患者ほんと困るわ」
などいまにも愚痴らんばかりである。

事務の人が頷きかけたところで
こちらの視点に気付いて

表こころブログ_健康保険チョメチョメ眼科号泣8

『その話はあとで』と
そっと目くばせ。


紹介状書く、書かないの怒号。
溢れるまで点眼しろの怒号。
そして保険を適応するための駆け引き。

消毒薬の匂いでもみ消しているが、
病院とは街中で一番生臭い場所なのである。



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