最近、はまっているもの

・ずんだ茶寮
・餃子の王将

そして
・向田邦子さんだ

表こころブログ_向田邦子1j


以前、記事にこんなエラそげな
ことを書いてしまった私。



しかし、私は小学校以来
向田邦子さんを読んでいなかった。

こりゃあ、この年齢になって
読むしかないやろ。

ここで読んだのが、
向田さんの随筆の中でも
傑作と名高いこれ。


父の詫び状

AQUAの紀伊国屋書店で買った。


この人の文章はとても
詳細に富んでいる。

家の中の構造や
服の形や色彩、
料理の材料や風味。

読み手にまで
伝わってくるような。

そして、お気づきだろうか。
この人の文章には
一切合切他人の悪口が出てこない。

人格者なんだね。

向田さんの性格は
「人を殺したいと思ったこともなく、死にたいと思いつめた覚えもない。魂が宙に飛ぶほどの降伏も、人を呪う不幸も味わわず、平々凡々の半生のせいか、わが卵の歴史も、ご覧の通り月並みである」
>>卵とわたしより
この文に収斂されている気がする。


だからね、この本
泣かせるんですよ。

向田さんのお母様を
海外旅行に誘ったお話。

お母さまの乗られた飛行機を
空港から見ていた向田さん。

「飛行機は上昇を終り、高みで旋回をはじめた。もう大丈夫だ。どういうわけか不意に涙が溢れた。たかが香港旅行ぐらいでと自分を笑いながら、さっきの裁ちばさみや蘭の花束のことを思い合せて口許は声を立てて笑っているのに、お天気雨のように涙がとまらなかった」
>>お辞儀より

もう泣けてきますよ。
向田さんの最期を知っているだけに。

それにしてもなんてきれいな
文章なんでしょうね。

そう思いきや大爆笑するところも
なんどもあったり。

けらえいこさんにしろ、
宮路ひまさんにしろ、
向田さんにしろ、
人の悪口を一切言わずに
ここまで笑いをとれるのは
天才の中の天才だと思う。

私も反省しないとね。



P.S.

このまえ、朝のバスの中で
ばばぁ・・
じゃなかったゴリおばさまが
靴を踏んできたときは
さすがにむっときたけど
(しかも謝らなかった)

表こころブログ_向田邦子2j

『こんなとき、向田さんなら
なんて思うだろうか!』

と心に向田邦子さんを
思い浮かべては、
しばらく人格者を
目指してみる。


P.S.

あまりににもはまりすぎて
もう一冊買ってしまった。



私の勝手な勘だけど
ここの読者さまなら
向田さんの文章好きな方が
多い気がするので。

ぜひ。



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